関東地方は日本全国が大雪を伴う厳冬に包まれていますが、投函員の皆さん、ものともせずに日々元気にポスティング活動に精を出しておられることと存じます。
さて、ポスティング中にふと異彩を放つ、変わったポストを幾度となく見かけたことがないでしょうか?例えば投函口がとても固かったり、重かったり…ポスト自体が縦になっていたり、カバーを開けたら投函口にはみ出しご免のストッパーがついていたり。
時としてポスティングの効率を妨げる、そういう類のポストを業界では「強化型ポスト」または「ポスティング対策ポスト」と称しています。
今回は初心者だけでなくベテラン投函員でも手を焼く、ポスティング対策ポストの数々を取り上げ、対処法を伝授します。
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神奈川県を含め、全国がポスティングに「NO!」を突き付け始めている…
郵便受けから郵便物や公共物、新聞紙の抜き取りなど、大事な私物を盗む輩が増えている昨今の日本。
全国の被害者たちのニーズを吸い上げる形で各郵便ポストメーカーは、全く新しいコンセプトのポストを次々と打ち出し、大手・中小を問わず不動産デベロッパーから次々に正式採用されています。その風潮は結果的にポスティング対策と取られてもおかしくない強化型ポストの普及を促し、ポスティングそのものを困難にしているのではないでしょうか。
そして、広告主やポスティング業者によるチラシの無差別投函に伴う被害対策のため、警察は防犯カメラの設置や警察への通報体制の強化などを住人や物件サイドに呼び掛けています。その影響を受けてなのか、近年は神奈川県下の各都市で「チラシNO!」を謳う物件が急増しており、ポスティング業界は危機感を抱くようになっています。
いずれにせよ、業界に携わる者としてはポスティングの在り方が厳しく問われているような気がしてなりません。
関東圏を中心として全国に普及しつつあるポスティング対策ポストとは?
東京都、神奈川県、埼玉県、茨木県、千葉県などの関東圏に位置する都心部を中心に、ポスティング対策ポストが全国的に普及して数多くの投函員を悩ませているのがポスティング業界の現状でしょう。
ポスティング対策ポストは大まかに言って4種類あり、ストッパー付きカバー型ポスト、縦型投函口強化ポスト、横型投函口強化ポスト、横型投函口狭小ポストが該当します。
投函口が強化されているのであれば、手首や握力を鍛えれば良いのでは…事はそう単純な話ではありません。ポスティングは戸建て・集合住宅、商店・法人などを合わせて1日数十~数百件程訪問します。横浜市周辺を中心としてシェアを急速に拡大していく、そういった類のポストばかりを相手にしていれば、いかに鍛えていても手首の疲労は避けられないでしょう。
そうではなく、実はそれぞれのポストへの投函にはコツのようなものがあるとの事。そこで、報告に上がったそれぞれのポストの特徴や遭遇した場合の対処法を挙げていきたいと思います。
ポスティング対策ポスト① ストッパー付きカバー型ポスト
特徴
某ポストメーカーが開発して急速に全国へと普及している次世代型ポストの1つが「ストッパー付きカバー型ポスト」。
ポストの形態は典型的な前入れ後出し方式ですが、これまでのポストと大きく違う点はポスト内部に「ストッパー」が付いていることでしょう。
元々は第三者による郵便物や新聞紙などの私物抜き取り防止のために開発されましたが、昨今ではポスティング業界で問題になっている新手のポストです。
対策
このポストの恐ろしい所は、一度チラシを投函してしまうと二度と取り出せない所でしょう。
カバー型ポスト自体、最初にカバーを上げる必要がありますから実に煩わしいですよね。
でも、街中で頻繁にみかけるポストでもあり、今ではさほど珍しいものではありません。
このポストが異彩を放っている理由は内部(いわば投函口手前にある)ストッパーの形状にあり、歯型のようにギザギザな形をしているため、手を突っ込んでもポストの中が取り出せない仕組みになっています。
例えば誤配に気づき、チラシを手や棒で無理やり取り出そうとするとストッパーのギザギザに引っかかり、チラシそのものがビリビリに破れるだけでなく、下手をすると手を戻そうとした弾みでストッパー自体を割ってしまう(または折ってしまう)危険性があります。
もちろん、ストッパーを破損させたら弁償を余儀なくされるのは言うまでもありません。
対策としては今の所、チラシ投函禁止などの表札に細心の注意を払いながら慎重に投函するしか手はないようですね。
ポスティング対策ポスト② 縦型投函口強化ポスト
特徴
横向きではなく縦向きに配置されたポスト。
縦型ポストは主に戸数の多い大型集合住宅中心に普及しています。
横型よりもポスト全体が占めるスペースが小さくなるので、高層大型マンションが建ち続ける東京都や神奈川県下で特にみられるポストです。
横型と違って縦型は手の重心が横方向ではなく、どうしても縦方向になってしまいますので投函しにくいのですが、通常のものは慣れれば横型同様、スムーズに投函できるようになるでしょう。
ただ、最近は投函口のフタの材質を重くしたもの、バネを強化したものが市中に出回るようになり、ポスティングも楽に行えなくなっています。ポスティング初心者だけでなく、熟練者でも手を焼くポストと言っても過言ではありません。
対策
縦型ポストはポスティング初心者にとっては鬼門中の鬼門。横型のポストと同じ感覚で普通に投函してもチラシがまともに入らないのは必然です。
通常の縦型ポストはチラシを上から斜め向きに差し込むように入れ、下を真っすぐ整えながら押し込むように投函しますが、強化型はきちんと入れようとしてもチラシの一部がはみ出してしまいます。近年のポスティング業界において広告主やポスティング業者は、住人や物件サイドからのクレーム対策として丁寧な投函に注意を払うようになり、雑な投函員を敢えて使わない方向に向かっています。
余計なクレームに煩わされないよう、手間ではありますが、はみ出したチラシの一部はきちんと中に押し込んでくださいね。
ポスティング対策ポスト③ 横型投函口強化ポスト
特徴
通常のポストで単に投函口のバネを増やして強くした「加工型強化ポスト」と、最初から強靭なスプリングを使用して投函口を重くした「スプリング強化型ポスト」の2種類があります。
対策
通常のポストで投函口のバネを強くした加工型強化ポストは、場合によっては力任せにこじ開けないと開かないものもありますが、下手をするとポストを損壊させてしまうので絶対にしないでください。少し押してみて投函口が開くもののみ、またチラシ禁止の表札に気をつけながら投函しましょう。
スプリング強化型ポストはチラシの投函方法に制約がなければ、チラシを二つ折り状態にしてサイドから真ん中をめがけ、チラシを投函する方の何本かの指で押しながら一気に投入するのが現時点では最も効率の良い投函方法です。
多用すると手の関節や手首のくるぶしを傷めるので、このタイプのポストのみ行ってください。
横型投函口狭小ポスト
特徴
投函口が狭くて鋭利な形になっているため、無理に手を突っ込むと指を切ってしまう怖れがあるのが特徴。
対策
手指を切ってチラシを血だらけにしたら、チラシの広告価値はゼロに等しくなります。
とにかくケガをしないこと、これが最優先事項!
多少雑に見えますが、チラシを深く突っ込まずに7~8分入れで留めましょう。または新聞紙のように丸めて縦に入れ込むなど、チラシを投函口に挟み込むように工夫すれば、まだ体裁が良くなるかと思います。
まとめ
最近は各メーカーによって新機軸のポストが次々に開発・販売され、居住者のプライバシー保護に一役買っています。
ポストだって日進月歩、だから投函員のみなさんも日々の投函スキルを磨き、時代の波に乗り遅れないようにしていきましょう!