神奈川県でよく目にするポスティングの求人募集の謳い文句を検証する

最近は神奈川県の求人情報で頻繁に見かけるようになったポスティングスタッフの募集。
気を引くキャッチフレーズを巧みに駆使して人材確保に各社とも余念がありません。
そしてよく目にするのが「健康に良い」「仕事は簡単」「短時間で楽に稼げる」などの魅力的な文章の数々です。
果たして謳い文句の内容はポスティングの現場を代弁するような、現実に即した内容を伴っているのでしょうか?

今回はポスティングの求人情報で見かける数々の謳い文句を検証してみました。

検証

Contents

ホント?ウソ?代表的なキャッチフレーズ5つを検証

求人募集の要項にはありとあらゆる情報が詰まっていますが、それはポスティングも例外ではありません。
最初は職種・勤務時間・給与や報酬面の勤務待遇・社会保険などの福利厚生面などについつい目が行ってしまいますが、求職者が他に注目するのが募集側から寄せられる「一言メッセージ」。
いわゆる「当社で働くとこのようなメリットがありますよ!」というノリですね。
では、ポスティング業界の求人募集で常套句になっている以下の謳い文句の信ぴょう性はいかがなものでしょうか?

「ポスティングは健康に良い」

確かにその一面は否定できません。

早朝などで実益を兼ねてポスティングする方も県下のあちこちで多く見られます。
早寝早起きに加え、適度に運動すると新陳代謝が活発になりますので、健康増進に効果があるとみていいでしょう。

しかし、神奈川県は海に面した平野部を除いて高台や丘陵、山地などで多く占められており、概して起伏の激しい土地柄です。例えば鎌倉市や横須賀市のように平野部が少なく、傾斜部や急坂が多いエリアでランニングをしながらポスティングを長期間続けると足を酷使してしまい、思わぬひきつけを起こす、足首やふくらはぎをひどく痛めてしまう怖れがあります。

「健康な足」でポスティングを長く続けるには、常日頃のマッサージやケアが欠かせませんので大事な足を労わるようにしてくださいね。

判定:条件付きでホント

「ポスティングは短時間で稼げる」

これは広告主やポスティング業者と委託業務契約を結んだ配布員には当てはまるかもしれませんね。外注業者としてポスティングを行う委託配布員は、時間に縛られずに自己申告した活動時間・配布枚数でポスティング活動に携わることが可能です。

一方、時間給制アルバイトでポスティングを行う方の場合は長時間拘束される傾向にあり、1日当たりの稼いだ額で見れば、短時間労働がメインの委託配布員とほぼ同じだったというケースも見られます。

横浜市など法人ビルや高層マンションがひしめくように建ち並ぶ市街地では、配布物件が区画ごとに密集しているため短時間の投函で配布枚数を追うことができますが、都市近郊に移れば移るほど移動時間がかさみ、ポスティングの成果に影響が出てきます。

配布エリアの兼ね合いによって成果に大きな差ができることも覚えておきましょう。

判定:条件付きでホント

「ポスティングは楽」

ポスティングの内容はいたってシンプル。
ただ広告チラシを各家庭のポストに丁寧に投函すること、ただそれだけです。
だからあらゆる職種の中で作業内容は簡単な部類に入るでしょう。

しかし「簡単」だから「楽に稼げる」とは決して言いきれない部分があります。それは、ポスティングには様々な阻害要因があり、例えばポスティングを許可しない法人ビルの保安警備員やマンションの物件管理人の存在などはその代表格でしょう。または各家庭でポストにチラシ禁止を謳う、物件の管理会社がポスティング業者に対し、無許可で投函を行った場合に法的な手段(チラシ回収・罰金・警察への通報など)に訴えるなど、強硬な姿勢で臨まれてしまうと投函そのものが不可能になってしまいます。
そしてチラシ禁止の表示がなくても後日、各家庭や大家、管理会社からクレームが入って対応に追われることもあります。

神奈川県下に限らず、チラシ広告を各戸にお届けするポスティングは企業の広報活動の一環なのですが、広告主である企業が提供するモノやサービスを求めていない側にとってはいらないチラシをポストに投函されて迷惑千万に思われているかもしれません。

例えばポスティング中に住人から睨まれる、注意される、追い払われる・・・
政府刊行物の投函や郵便配達であれば、このような仕打ちはまずありえません。
いくら生活のためとはいえ、精神的に楽な商売ではないかもしれませんね。

判定:ウソ

「ポスティングは広告効果が高い」

ポスティングの別名の1つは「反響広告活動」。
各家庭の郵便受けにモノやサービスの内容を告知するチラシを直接投函し、より多くの人の目につくよう広報活動を行います。
そして新聞の折り込みチラシと比較して、見込み客がダイレクトに反応して成約率が高めなのもポスティングの特徴の一つといえるでしょう。

消費者保護のために神奈川県でも2013年2月(平成25年)、従来の訪問販売法を改正した「特定商取引法」が全面的に施行されました。以来、原則、飛び込み営業などの訪問販売に強力な規制がかかりました。結果として見込み客との接触の機会を失った企業の多くは、チラシをポストに投げ込む形での間接的な営業、いわば「攻め」から「受け」の反響営業に軒並み営業手法を転換しました。

従いまして、住人の目に触れる機会の多いポスティングのチラシはあっさり捨てられることが多いですが、一度は目を通す方が多いのも事実です。
成約の有無は別として、周知的な役割を果たす意味で広告効果は高いと言えるでしょう。

判定:ホント

「服装・髪型自由」

投函の方法や投函時の配布先へのお断り(ご挨拶)などの一部のルールを除き、ポスティング活動には特に決まった制約はありません。
業者によって夏は会社のロゴが入ったTシャツ、冬はジャンパーなどを支給する所もありますが、基本的に服装は自由。
髪型も当然自由、かつては何の拘束も受けていなかったのですが、最近ではポスティングも対人営業の1つだという認識の下、突飛な髪形や服装は広告主のコーポレート・イメージに悪影響を与えるということで、髪型や服装に一定のルールを設けるポスティング業者や広告主が増えてきました。

神奈川県のポスティング業者は「首都圏ポスティング協同組合」に加盟しているだけで10社ほど。正確な数は不明ですが、未加盟の小規模業者を合わせると数十社はあると言われています。

少なくとも組合員会社に関しては投函員に社会的な常識と節度ある行動を求める傾向にあるようですね。

判定:半分ホント・半分ウソ(完全にフリーではない)

「自転車・バイク貸与」

乗り物を持たない投函員の方には嬉しい限りのこの特典。
しかし、貸与の条件にはどうやら2種類ある模様。
一つは、ポスティング業者が自前で配布用自転車やバイクを所有している場合と、もう一つはレンタルショップと契約して自転車やバイクを日替わりレンタルしている場合です。

業者が乗り物を所有している場合に気をつけたいのは、自転車やバイクのメンテナンスがきちんと行われているかどうかという点でしょう。

定期的に整備されていれば何の問題もありませんが、中にはブレーキの利きが悪い、ウインカーが破損している、ライトが切れかかっている、タイヤの溝がなかったり、空気が少なかったり・・・と、日ごろロクに整備されていない状態で、投函員たちが自転車やバイクを乗り回しているケースがあります。
しかも、状態の良い自転車やバイクは先輩投函員が我が物にして、貸与されるのはポンコツばかり・・・なんて、考えただけでもゾッとしませんか?
そのまま使用するのは危険ですので結局、自腹を切って最低限のメンテを行うなど、不利な条件で自転車やバイクが貸与されることもありますので注意が必要です。

自転車・バイクのレンタルショップと契約して貸与されている例では、自転車やバイクは必ずしも自分に合ったものが準備されるとは限らない点、これが問題です。

神奈川県はカーシェアリングに代表されるレンタル志向の高い東京都に近接する土地柄だけあって、複数ある都市部で乗り物類のレンタルショップがいくつも見られます。オプション料金で所定の自転車やバイクを押さえた契約であれば、そう問題は起きないでしょう。

そうでない場合、ショップの貸出状況によっては自分の希望する乗り物で活動できないことも考えられますので、必ずしも希望通りにはいかないことを覚えておきましょう。

判定:条件付きでホント

まとめ

今回はポスティングの求人募集でよく見かける、代表的な謳い文句のウソ・ホントについて取り上げてみました。
魅力的なキャッチに踊らされることなく、ポスティングに関する情報を広く集めた上で納得のいく働き方なのかどうかを判断していただければ幸いです。

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